シロアリは目が見えない？視力はどれくらい？

ほとんどの白蟻は目が見えません。

土の中で生活している白蟻にとって
目はそれほど重要ではないのは明白かと思います。

白蟻同様に、土の中で生活しているモグラも
目が退化して見えません。

モグラとの違いはモグラには目はあるのですが、
目には膜がかぶさって保護されいてるためほとんど機能していない状態で
視力はほぼなく、水晶体や網膜などはあるため光を感じることが出来る程度です。

逆に白蟻は
ほとんどが、目が退化してしまい「ない」と言えることです。

白蟻は社会性昆虫と呼ばれカースト（身分）制度で成り立っており
全体の90％以上を占め実際に木を加害する層でもある働きアリの「職蟻（しょくぎ）」には目がありません。
また、その次に多い兵隊アリの「兵蟻（へいぎ）」にも目がありません。


写真：ヤマトシロアリ（真ん中の頭が大きいのが兵蟻で周りの３匹が職蟻）

よく見ると、目のあるべき場所に目のようなものがありますが
これは、ただのそういった赤っぽい点の模様（そう見えるだけ）だと言われています。

しかし、すべての白蟻に目がないわけではなく
外に出る可能性がある層でもある生殖虫（生殖をおこなう白蟻）には目が存在します。
生殖虫とは、一般的に「羽蟻」として外に飛びたつ層と思って問題ありません。



彼らは、別の巣のオスやメスと出会うために、
毎年5月～6月にかけて巣の外に飛び立ち
新たなつがいとなったものは、土へと入り巣を作り始めます。

土から外に出る必要のあるには目があり
多少なりの視力がありますが、遠くが見えるものではありません。



このように、同じ白蟻の中でも
子を産む層の白蟻には目が存在し
それ以外の大部分には目が存在しないという
役割に応じた変わった特徴を持っています。

言葉を発せず、目も見えない白蟻が
どうやって意思疎通をしているのか
そのことについては、また下記の記事でご説明しようと思います。

白蟻はどうやって意思疎通してるの？白蟻のフェロモンとは？