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シロアリのベイト工法とは?料金や目安やメリット・デメリットを紹介

カテゴリ:白蟻の生態  

ベイト工法をご紹介したいと思います。

ベイト工法とは



ベイト工法は簡単にいえば、土に埋めた「ベイト:bait(=毒餌)」を白蟻に食べさせることで防除する方法です。



白蟻被害が懸念される場所に毒餌を設置することで
その毒餌を食べた白蟻が、他の白蟻と餌を共有(分け与える)ことで巣へと感染を拡大させて巣ごと全滅させます。

近年の白蟻予防薬剤と同じで
その場の白蟻だけを退治するのではなく、巣ごと根絶することを目的としています。

具体的には、
家が白蟻防除対象だった場合は、家の周りに一定間隔でぐるりと設置していきます。
もっとも有名な商品がダウアグロサイエンスが提供している「セントリコン」です。



The Sentricon Story - Japan


(建物構造的な意味だけでなく、施主様の薬剤への懸念など)薬剤散布が難しい建物などの防除に用いられることが多いですが、
薬剤散布可能な物件でも、もちろん効果があります。

ベイト剤の特徴や使用方法



ベイト剤は白蟻が脱皮できないようにすることで駆除します。
他の散布する薬剤は、薬剤に触れることで影響が出ますが、このベイト剤は名前のベイト(餌)の通り、食べることで効果が表れます。




写真のセントリコンであれば、
餌木や毒餌(紫色の棒状の物)を「ステーション(緑色の蓋がついた筒)」に入れて
それを土に埋めて家の周りに3メートルの感覚で設置していきます。




餌木+毒餌バージョン



以前のセントリコンシステム

駆除がメインの場合は白蟻の食害箇所に直接最初から毒餌を入れて設置することがありますが
通常は、予防として使用されることが多く、まずは白蟻をおびき寄せる必要があるため
餌木と呼ばれる白蟻が寄ってきやすい餌を設置しておきます。

白蟻がこの餌を見つけると、それはすなわち白蟻の巣とこの餌木を白蟻の道でつながったことを意味します。
餌木を食べていることを確認してからは、該当するステーションの餌木を抜き取り、毒餌に取り替えます。
そして、またしばらくして駆除が完了したと思われたら、餌木にしてまたしばらく様子を見るという流れです。

ですので、ずっと毒餌を入れていても白蟻は来ないので
餌木で釣って、毒で殺し、また餌で釣るの繰り返しが必要になります。

毒付き餌木バージョン



商品説明広告みたいですが
新しいセントリコン・オールウェイズアクティブは、
餌木ではなく毒剤がそのまま白蟻をおびき寄せる効果があるため、
取り換えの必要がないものになっています。



ベイト工法の料金の目安



しかし、どちらであっても、初回の設置だけでなく、
白蟻がヒットしたかの確認(モニタリング)が年に1回~数回必要になります。

そのため、設置費用だけでなく、
管理料としてモニタリングの費用が毎年(もしくは毎月)必要となるのが一般的です。

※毒餌や餌木は基本的にモニタリング費用に含まれていることが多いです。

個人的にはベイト工法は
ダスキンさんが大々的にやっているイメージなので今回ダスキンさんの金額を例に挙げると

初月は外周1mにつき税抜月額3,720円(設置+管理料)
2か月目以降は外周1mにつき税抜月額120円(管理料)


設置個数ではなく、ベイト工法は外周のメートル単価が一般的です。

1階の大きさ(床面積)が20坪で四角い家だと、外周は約32.4メートル(5間が約9m×4間が約7.2m=20坪)なので

初月:3,720円×32.4m=120,528円
次月以降毎月:120円×32.4m=3,888円

5年間だと、
120,528円+(3,888円×59か月)=349,920円+税

上記の餌木+毒餌のバージョンなのか、
誘因作用付き毒餌バージョンかはわかりませんが
費用は、20坪の家でだいたい35万円+税くらいです。

参考ページ:ダスキン シロアリ駆除サービス(ベイト工法)

白蟻防除のベイト工法とバリア工法(薬剤散布)の違い



薬剤散布のバリア工法と、毒餌設置型のベイト工法ですが
どちらが良いかは状況によるため、確認してみましょう。



ベイト工法のメリット



・どんな建物でも基本的に可能

床下散布だと、床下に入り薬剤を散布する必要があるため、

・床下がない
・床下が入れないほど低い
・家に入ってほしくない(病人がいるなど)
・空調の関係上(床下を含めた空気循環型など)で床下に薬剤散布できない
・薬剤に過敏な人やアレルギー体質な人がいる
・集合住宅で、全部屋の住人の許可と時間調整が必要になる
・基礎断熱で、床下に薬剤を散布しても効果がない
・病院などで、床下には特殊な装置やダクトなどがある

など、薬剤散布での施工が出来ない物件というのは意外とあります。
こういった物件でも、ベイト工法であれば施工が可能です。

・室内に入る必要がない

上記と連動しますが、
薬剤散布で床下点検口から床下に入るバリア工法に対して
ベイトは、外に埋めるだけのため室内に入らない工事が終わります。
コロナ対策としては良いのかもしれません。

・薬剤の使用量が少ない

薬剤散布では先ほどの20坪の家で言えば、
希釈後の薬剤が場合によっては100Lタンクがなくなるほど使うこともあるのに対して
ベイト工法だと、ステーション(の中にベイト剤を)10~12本設置するだけで済みます。


ベイト工法のデメリット



逆にデメリットとしてはどういったものがあるのでしょうか?

・費用が高い

坪単価が7000円の白蟻業者であれば、20坪の家(5年保証)で
7000円×20坪=14万円
対して、ベイトであれば、上記のベイト工法の料金の目安の通り、その倍以上かかってきます。

・コンクリート部分はコア抜き(穴あけ)が必要

家の周りがすべて土の家というのは日本の家では
特に都会では、少ないのではないでしょうか?

外周上の設置個所にコンクリートで覆われている箇所があると、
コア抜きといってコンクリート部分にステーションを設置できるだけの穴をあける必要が出てきます。



費用が別途かかるのは当たり前ですが、
このコンクリートの下に、配管やガス管などがあった場合は破損してしまう可能性もあるので注意が必要です。

・保証が短いく複雑

当たり前ですが、管理料を支払った期間のみとなります。

1度の工事で薬剤散布の場合は、5年間面倒をみてくれます。

また、
①白蟻が出たら無償再処理の保証
②予防処理だとさらに被害時の損害保証
という2段階で保証が出ることが多く、大体は施工した会社の采配のようなものです。

しかし、
ベイトの場合は、床下に出ているかの確認は行わないので基本的に②のみです。

また、保証をしているのはセントリコンのダウ・ケミカルであって、施工会社ではありません。
そのため、もし、白蟻が出たことがわかっても薬剤散布は有料だったりします。

そして、被害が出た際には、②の対象となるかを見極めるため
本当にきちんと設置などが行われているか、
被害部は本当に設置後に発生したものなのかなどの調査が行われ、
申請が通ったのちに初めて修繕費や駆除費用などが保証としております。

・駆除には向かない

基本的に、薬剤散布が出来ない物件で白蟻被害の発生が確認された場合は
どうするかというと、3つの方法があります。

①被害箇所にベイト剤を設置して、家の外周にも通常通り設置する

②被害箇所に非忌避性(白蟻が散布部分に気付かずやって来る薬)の薬剤を散布し駆除し、家の外周には通常通り設置する

③被害箇所に忌避性(白蟻が散布部分を避ける薬)の薬剤を散布し駆除し、家の外周には通常通り設置する

のどれかになります。

①の場合は、
弁当箱くらいの大きさの箱に毒餌を入れて設置することで、被害箇所を食害している白蟻に毒餌を食べさせて巣ごと駆除します。
もちろん、巣がなくなるまで食害は続きます。


被害箇所に設置するセントリコンAG


被害箇所の白蟻が毒餌を食べた後の画像

ずっとこの毒入り弁当箱を設置することはできないので、数か月もたたないうちに撤去します。
被害部を修繕するならその時にはもう廃棄しています。
そして、後日、別の巣から別の白蟻がやって来て再び同じ個所が被害に遭う可能性が出てきます。


②も
非忌避剤の薬剤をかけた場所は薬剤が散布されたことが白蟻にはわからないので
その部分を通り(&食べ)ます。
薬剤に触れた白蟻はそのまま巣に戻り、ほかの白蟻に伝播(感染拡大)して巣ごと駆除されます。



こちらも、もちろん、巣がなくなるまで食害は続きます。

③は
薬剤をかけた場所を白蟻が寄り付かなくなり
もちろん、薬剤に触れた白蟻は死にます。
結果、①②と違い、的確に散布がされれば被害箇所の食害比較的早く止まります。



しかし、白蟻が薬があるとをわかっているため
薬剤散布部分を通らなくなり、巣への伝播は効率的に行われず、巣はなくならない可能性は高く
加えて、薬剤散布部分の木は食べることが出来ないため、
別の場所の木を食べ始めます。

・すぐに白蟻が死なない

散布系の薬剤は、神経伝達に対する影響で殺す成分のため数日ほどで白蟻は死んでいくのですが、
ベイト工法の場合は、脱皮を阻害して殺すため、脱皮する時が来るまで生きています。

そのため、駆除が必要で①を選んだ場合は
数週間は食べ続けられる覚悟でいたほうがいいかもしれません。

・更新を止めると餌木を自分で除かないと白蟻が来る

毒餌ではなく餌木だけを残して更新を止めた(管理料を払わなくなった)場合には
自分で、餌木を抜き取る必要があります。

餌木がステーションに入っていると、
白蟻がどんどん家の敷地にへと吸い寄せられてきます。

餌木だけで、毒餌に変えないと、
その餌木を食べ続けると同時に、別の餌場も探しながら巣は大きくなります。

・更新を止めたら跡が残る

土の中埋めただけのものは抜き取ればいいのですが
コンクリートに穴をあけて埋めたものは、コンクリートの穴がそのまま残ります。
もちろん、コンクリートで埋めることもできますが自費で行うことになります。


まとめ



このように、ベイト工法に関しては、
メリットもある反面、金額的なデメリットがかなりあります。

また、セントリコンの設置には
ダウ・ケミカルが発行している資格が必要になります。
かく言う私も実は持っていますが、研修プログラムを受け、その後、試験に合格し、
「セントリコン・テクニカルマスター」という資格です。



ただ、これがあってもなくても
技術的なことを言えば、設置自体は誰でもできます。

実際、ベイト工法は、セントリコンだけでなく
市販のものであれば、
イカリ消毒が提供している「シロアリハンター」や
アースガーデンの「シロアリの巣撃滅」、
あと、オーストラリアでも販売されている「エクステラ・ステーションセット」などもあります。

気になった場合は、一度ご自身で説明書を読みながら設置してもよいかと思います。

この業界にいる人間として言えば、
市販のスプレー式のものを散布するくらいなら、こちらのベイトのほうが断然お勧めできます。
それだけ、市販のスプレー式の白蟻殺虫剤は
「その場(その一瞬)しのぎ」としての意味しかないことをご注意ください。

もちろん、「白蟻駆除」や「本当の予防」を求めるのであれば、
白蟻業者に依頼してもらうほうが良いということは言うまでもありませんが。

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執筆者:岡さん(通称)
・大学卒業後、ウェブ業界へ就職
・その後、転職後、現在まで防蟻業界に10年以上身を置く昭和生まれの現役のしろあり防除施工士
・2020年より白蟻業界での経験を活かし「けんまめ」のエディターとして参加。
執筆者:岡さん(通称)
・大学卒業後、ウェブ業界へ就職
・その後、転職後、現在まで防蟻業界に10年以上身を置く昭和生まれの現役のしろあり防除施工士
・2020年より白蟻業界での経験を活かし「けんまめ」のエディターとして参加。