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シロアリの蟻道(ぎどう)と4つの役割とは?
カテゴリ:白蟻の生態
白蟻のが作るトンネルでもある蟻道(ぎどう)。
この自身の排泄物と土で出来たトンネルは、英語では「mudtube(泥の管)」と呼ばれ
海外では、「道」ではなく「管」なのです。
この時点ではお分かりのように
白蟻は北米などの海外でも建物に甚大な被害をもたらしているのです。
この蟻道ですが、黒蟻はこういった蟻道を作ることは稀です。
では、なぜ白蟻は蟻道を作るのでしょうか?
理由は大きく4つが挙げられます。
まず1つ目は、光を遮るためです。
これは、白蟻の体では、「メラニン」が生成されないからです。
よくシミの原因となるとして女性から嫌われているあのメラニン色素のことです。
この黒いメラニン色素のおかげで人間を含め多くの生物が太陽の紫外線から体を守っています。
しかし、(一部の外に飛び立つ羽アリを除いて)白蟻には、この色素が体内で生成されないため太陽の光の下で活動することが出来ません。
もともと、白蟻は栄養価の低いもの(セルロースなど)を食べているため、土の中で暮らしていくために極力エネルギー消費を抑える必要があります。
もちろん、メラニンを体内で生成するにはそれ相応のエネルギーが必要となるため、この生成機能を捨てたのです。
また、人間が電気を発明する以前は、光と言えば太陽の光でした。
太陽の光の下=光の当たる場所=明るい場所
となるため、蛍光灯もLEDも知らない白蟻からすると、人間が生活する場所はどこもが明るい(自分たちが出ていけない)場所なのです。
メラニン色素を持つ羽アリとなった見た目には黒い白蟻ではなく、実際に木を食べる見た目に白い白蟻が、人間の住む空間に顔を出さないのはこういった理由からです。
2つ目は、体の水分の蒸発を防ぐためです。
言い換えると、適切な湿度を保つためとも言えます。
地中では適度な高湿度で保たれていますが、地上では土の中に比べて湿度が極めて低下した状態となります。
白蟻の体はとても柔らかく、日の光(熱)だけでなく湿度の低い外気に触れてしまった場合も体の水分が蒸発していきます。
要するに、高い湿度の下でしか白蟻は生きていけないのです。
蟻道は、土という湿度を保つ素材を作った高湿度維持チューブのような役割を担っているのです。
「シロアリが湿気の高い場所を好む」というのは、この理由からです。
また、水分を蒸発させることに関して言えば、風も水分の蒸発を招きます。
この風から白蟻を守るものも、この蟻道だということは言うまでもありません。
「シロアリが風や光を嫌う」と言われるのはこういった理由からです。
3つ目は、温度調整です。
冬眠をしないと言われる白蟻は
活動できる温度の範囲は広いのですが、地中から出た瞬間の外気との温度差があると、急激な温度変化に体がついていけません。
そのため、地上でも、地中と同じ環境に保ち餌探しという大事な活動維持のために蟻道が必要なのです。
4つ目は、外敵(侵入者)から自分たちを守るためです。
しかし、土のトンネルは人間や他の大きな生物からすると、簡単に崩せてしまいます。
なにより、白蟻の天敵でもある黒蟻からすれば、土の壁などすぐに突破することが可能です。
白蟻を捕食する黒蟻
では、この蟻道はどういった役割を果たしているのか?
それは、警報装置の役割を果たしているのです。
では、この蟻道が崩される、適切に保たれていた高い湿度が、急激に低下し、水分が外に出ていきます。
これにより温度変化も発生します。
白蟻は目が見えません。というより、厳密には目がありません。
そのため、この変化を敏感に察知することで、意思伝達物質の「警報フェロモン」を発し侵入者が現れたことを巣内に伝達します。
そして、兵隊アリが決壊した壁(侵入者が現れたと思われる場所)へ集まります。
兵隊アリ
また、働きアリは急いで、壊れた壁を修復します。
このように、急激な湿度低下と温度変化により、蟻道が壊されたことを周辺のシロアリが察知できるのです。
SF映画に例えるなら
宇宙空間で宇宙船にエイリアンが穴をあけて侵入した際に、空気濃度の異常低下で警報が鳴って、戦闘員がその場へ向かい、技術者は空いた穴からこれ以上空気が漏れないように修復に向かうような感じです。
蟻道は、地中で暮らす白蟻が、地上での餌探しのために、地中と同じ空間作り上げる「地上探索用回廊」なのです。
土と自身の排泄物で、これだけの土木工事が出来るなんて驚きだと思いませんか?
少しでも白蟻に親しみを持っていただければ幸いです。
この自身の排泄物と土で出来たトンネルは、英語では「mudtube(泥の管)」と呼ばれ
海外では、「道」ではなく「管」なのです。
この時点ではお分かりのように
白蟻は北米などの海外でも建物に甚大な被害をもたらしているのです。
この蟻道ですが、黒蟻はこういった蟻道を作ることは稀です。
では、なぜ白蟻は蟻道を作るのでしょうか?
理由は大きく4つが挙げられます。
光を遮るため
まず1つ目は、光を遮るためです。
これは、白蟻の体では、「メラニン」が生成されないからです。
よくシミの原因となるとして女性から嫌われているあのメラニン色素のことです。
この黒いメラニン色素のおかげで人間を含め多くの生物が太陽の紫外線から体を守っています。
しかし、(一部の外に飛び立つ羽アリを除いて)白蟻には、この色素が体内で生成されないため太陽の光の下で活動することが出来ません。
もともと、白蟻は栄養価の低いもの(セルロースなど)を食べているため、土の中で暮らしていくために極力エネルギー消費を抑える必要があります。
もちろん、メラニンを体内で生成するにはそれ相応のエネルギーが必要となるため、この生成機能を捨てたのです。
また、人間が電気を発明する以前は、光と言えば太陽の光でした。
太陽の光の下=光の当たる場所=明るい場所
となるため、蛍光灯もLEDも知らない白蟻からすると、人間が生活する場所はどこもが明るい(自分たちが出ていけない)場所なのです。
メラニン色素を持つ羽アリとなった見た目には黒い白蟻ではなく、実際に木を食べる見た目に白い白蟻が、人間の住む空間に顔を出さないのはこういった理由からです。
体の水分の蒸発を防ぐため
2つ目は、体の水分の蒸発を防ぐためです。
言い換えると、適切な湿度を保つためとも言えます。
地中では適度な高湿度で保たれていますが、地上では土の中に比べて湿度が極めて低下した状態となります。
白蟻の体はとても柔らかく、日の光(熱)だけでなく湿度の低い外気に触れてしまった場合も体の水分が蒸発していきます。
要するに、高い湿度の下でしか白蟻は生きていけないのです。
蟻道は、土という湿度を保つ素材を作った高湿度維持チューブのような役割を担っているのです。
「シロアリが湿気の高い場所を好む」というのは、この理由からです。
また、水分を蒸発させることに関して言えば、風も水分の蒸発を招きます。
この風から白蟻を守るものも、この蟻道だということは言うまでもありません。
「シロアリが風や光を嫌う」と言われるのはこういった理由からです。
温度調整のため
3つ目は、温度調整です。
冬眠をしないと言われる白蟻は
活動できる温度の範囲は広いのですが、地中から出た瞬間の外気との温度差があると、急激な温度変化に体がついていけません。
そのため、地上でも、地中と同じ環境に保ち餌探しという大事な活動維持のために蟻道が必要なのです。
外敵から身を守るため
4つ目は、外敵(侵入者)から自分たちを守るためです。
しかし、土のトンネルは人間や他の大きな生物からすると、簡単に崩せてしまいます。
なにより、白蟻の天敵でもある黒蟻からすれば、土の壁などすぐに突破することが可能です。
白蟻を捕食する黒蟻
では、この蟻道はどういった役割を果たしているのか?
それは、警報装置の役割を果たしているのです。
では、この蟻道が崩される、適切に保たれていた高い湿度が、急激に低下し、水分が外に出ていきます。
これにより温度変化も発生します。
白蟻は目が見えません。というより、厳密には目がありません。
そのため、この変化を敏感に察知することで、意思伝達物質の「警報フェロモン」を発し侵入者が現れたことを巣内に伝達します。
そして、兵隊アリが決壊した壁(侵入者が現れたと思われる場所)へ集まります。
兵隊アリ
また、働きアリは急いで、壊れた壁を修復します。
このように、急激な湿度低下と温度変化により、蟻道が壊されたことを周辺のシロアリが察知できるのです。
SF映画に例えるなら
宇宙空間で宇宙船にエイリアンが穴をあけて侵入した際に、空気濃度の異常低下で警報が鳴って、戦闘員がその場へ向かい、技術者は空いた穴からこれ以上空気が漏れないように修復に向かうような感じです。
まとめ
蟻道は、地中で暮らす白蟻が、地上での餌探しのために、地中と同じ空間作り上げる「地上探索用回廊」なのです。
土と自身の排泄物で、これだけの土木工事が出来るなんて驚きだと思いませんか?
少しでも白蟻に親しみを持っていただければ幸いです。
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執筆者:タケルさん(通称) ・大学卒業後、ウェブ業界へ就職 ・その後、転職後、現在まで防蟻業界に10年以上身を置く昭和生まれの現役のしろあり防除施工士 ・2020年より白蟻業界での経験を活かし「けんまめ」のエディターとして参加。 |
執筆者:タケルさん(通称) ・大学卒業後、ウェブ業界へ就職 ・その後、転職後、現在まで防蟻業界に10年以上身を置く昭和生まれの現役のしろあり防除施工士 ・2020年より白蟻業界での経験を活かし「けんまめ」のエディターとして参加。 |